雑多な話

トイレットペーパーとマスクの材料は違う!品不足予想はデマ!

新型コロナウィルスの影響で、トイレットペーパーやキッチンペーパーなどがお店から消えました・・・。

マスクが品薄で手に入らないという状況はご承知の通りですが、このマスクとトイレットペーパーの原材料や生産国が共通しているので、トイレットペーパーがなくなるという情報がSNSで拡散されたことが原因のようですね。

 

結論からいうと、マスクとトイレットペーパーの原材料は異なりますし、トイレットペーパーの多くは国内で製造されています。

具体的には、マスクは不織布(ふしょくふ)という繊維を接着剤などでシート状にしたもの、トイレットペーパーは紙(パルプ)でできています。

また、マスクは中国が世界中の生産量の50%を占めているので、潤沢に店頭に並ぶ状況ではなくなりましたが、トイレットペーパーの多くは国内で製造されています。

一気に買う方が増えると、当然店舗在庫がなくなるので、売り場から消えますが、工場は生産しているので、トイレットペーパーが供給不足で入荷未定になることは、ほぼありえません。

店頭から消えたのは一時的な状況ですので、焦らず、冷静に行動してください。

 

では、詳細に見ていきましょう。

 

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トイレットペーパーの原材料は?

トイレットペーパーは、その名の通り「紙」でできています。

紙は、植物の繊維をシート状にしたもので、主に木材から作られます。

木材を細かくして、高温・高圧下で煮ることで、樹脂を溶かして繊維を取り出していきます。取り出された繊維のことをパルプと呼びます。

 

古紙再生のトイレットペーパーがエコ商品として売られていますが、これも同じような工程で作られていきます。

古紙としては、オフィスや学校で使うコピー用紙や牛乳パックなどが利用されます。一旦紙になっているので、繊維を取り出す(樹脂を取り除く)過程は不要ですが、紙についているインクやホッチキスの針などの異物を取り除く必要があります。

紙を煮溶かして、インクや異物を取り除いてやれば、同様にパルプができます。

 

パルプ(繊維)を取り出すことができれば、パルプを均一の厚みにして、水分を絞り、ドライヤーで乾かせば、紙ができます。

この時、トイレットペーパーの厚さ・柔らかさになるように作っていけば、トイレットペーパーの元ができます。

これを、あのサイズに切り、ミシン目を入れたり、必要に応じて香りをつけたり二枚重ねにしたりすれば、いつも見ているトイレットペーパーができます。

 

なお、トイレットペーパーの多くは国内で製造されています。

原材料であるパルプは一部輸入していますが、経済産業省の統計によれば2018年の輸入依存率は16.9%。パルプの輸入先もアメリカが約3割、そのほかはカナダやブラジルといった国で、中国は含まれていません。

しかも、輸入しているのはあくまでパルプです。製紙原料(トイペのみではありません)に占めるパルプの割合は35.6%(2018年)であり、その他は古紙などで作られています。

つまり、製紙原料の中で輸入に頼っている割合は約6%です。逆に言えば90%以上が国内で生産されていることになります。

これは、製紙原料全般の話なので、トイレットペーパー自体の話ではありませんが、トイレットペーパーだけが輸入原料に頼る可能性があるでしょうか?

ほぼ同じ比率で輸入に依存するはずですよね。

9割が国内で生産されていて、しかも原料の半分以上が古紙(みなさんの周囲に溢れている)なので、トイレットペーパーがなくなる可能性はほぼないです。

 

では、マスクはどうでしょうか?

 

マスクの原材料は紙ではない!

マスクの原材料は不織布という布です。植物の繊維をシート状にしている紙とは異なるものですので、マスク不足がトイレットペーパー不足に関連することはありません。

では、不織布とは何でしょうか?

不織布とは、繊維を接着剤などでシート状にしたものです。

 

一般的に「布」は、繊維を撚って糸にしたものを織って作りますよね。

不織布とはその字の通り、「織ってない布」です。

どうやって織らずに布を作るかというと、原料になる繊維を絡み合わせて接着剤などでくっつけて作ります。

フェルトとかは古くからある不織布の代表です。

 

織られた布に比べると強度が劣りますが、安価で作ることができますし、厚みや隙間(目の荒さ・細かさ)を簡単に変更できます。

マスクを作るための不織布には、ポリエステル繊維などが使われています

 

植物繊維を原料とするトイレットペーパーとは違いますよね。

 

このマスクは、全世界の半分を中国で生産しているようです。

加えて、感染している可能性のある方が来る医療機関に優先的にマスクを納入する必要があるので、市中の薬局やドラックストアに回ってくるのは少し遅くなるし、量も少なめということになります。

国内でもマスクを生産していて、24時間体制で3倍の生産量で対応しているほか、輸入再開もされているとの情報があります。

好きなだけ購入できるほどの状況にはならないでしょうけど、節度を守って必要分を購入するようにすれば、ある程度マスクが手に入る状況にはなると予想できます。

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まとめ

トイレットペーパーやティッシュペーパーとマスクは原料が違いますし、輸入に頼っている度合いも全く違います。

 

マスクとトイレットペーパーが同じ状況になることはあり得ません。

 

今店頭にないからといって、安易に買い占めに走ったり、高騰したトイペをネットで買う必要はありません。

落ち着いて行動しましょう!

(かくいう私も、トイペを探して数店見て回りましたが・・・←買い占める気は毛頭ありませんが、1つくらい買っとこうという気持ち)。

 

ちなみに、マスクが少ないのは事実です。

でも、マスクをする方がいいのは当然ですが、マスクよりも手洗いやうがいを励行したり、咳エチケットを徹底する方が感染予防に対する寄与は大きいです。

 

また、マスクも正しくつけないと意味がありません。例えば苦しいからといって鼻までマスクを覆っていないと、結局マスクしていないのと同じです。

 

こういう状況だからこそ、情報や周囲の行動に圧倒されてしまうと思います。しかし、節度ある行動をしていれば必ず状況は好転します。

感染者数が今後増える可能性がありますが、単純に感染拡大したのか、検査できる数が増えたり、検査のハードルが下がったりということでも、感染者数(感染確認者数)が増える可能性もあります。

 

情報が溢れているし、根拠の薄い情報が簡単に拡散してしまうので、正確な情報を見極めるのは難しいですが、受け身にならず自分でも一回調べてみるといった行動ひとつで、意識が変わります。

鵜呑みにせず、まずは考えてみるのが大事ではないでしょうか。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

2020-02-29

 

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