お餅つきは、田舎町では年末の恒例行事として親戚が集まって普通にやられていましたが、最近では、幼稚園や小学校のイベントとして体験することはあっても、なかなか自分がお餅をつくということはなくなってきました。
私も、祖父が亡くなってからは、年末年始に親戚が集まることもなくなってしまったし、それと同時に毎年恒例のお餅つきもなくなりました。
しかし、幼少から慣れ親しんだお餅つきというイベントと、杵つきもちのなんとも言えない美味しさが忘れられず、母親や兄とお餅つきを再開し、毎年12月30日の恒例行事としてやっています。
今回は、杵つき持ちの作り方(お餅つきのやり方)について、備忘録として書いていきます。あくまで我が家の場合のやり方ですが、何かの参考になれば幸いです。
Contents
お餅つき全体の流れ
まずは、全体の流れから。なお、我が家は電気・ガスは使わず、木を焚いて行なっています。
- もち米を研ぎ、1晩水につけて水を吸わせる。
- 水を吸わせたもち米をせいろに入れ、もち米を蒸す。
- 蒸しあがったもち米を臼に入れ。杵ですりつぶすようにもち米をまとめていく。
- ある程度もち米の粒がなくなり、まとまってきたらお餅をつく
- できたお餅を切り分けて食べる(丸めて保存する)。
自分で言うのもアレですが、結構味気ない感じの書き方になってしまいました。
では、順に見ていきます。
事前準備(もち米に水を吸わせる)
まずは、事前準備として前日からもち米に水を吸わせます。
後述しますが、もち米は蒸すことによって加熱します。白米のようには炊きませんので、しっかりともち米に水を吸わせてあげます。
しっかりと水を吸わせないと、蒸したときに芯が残ったり、水分が足りずお餅にならなかったりする可能性があります。なので、ここはしっかり着実にやってください。
やり方は簡単で、もち米を綺麗に研いで、水に一晩つけるというだけです。
- もち米は綺麗に研ぐ(ぬか臭さを残さないために)
- 夏場は水を交換する方がよい(お餅が臭くなったり変色したりしないため)
水につける時間は、10時間以上と思ってください。夕方に準備して水に浸けておき、翌朝使うイメージでよいです。夏場(昼間とか)にこの作業をする場合には、水が悪くならないように1度水を交換する方がよいです。我が家での恒例は12月末ですから経験はありませんが、イベントなどで実施する場合は注意が必要です。
もち米を蒸す
一晩水に浸けて十分に水を吸ったもち米は、まずはざるにあげて水を切ります。15分以上は水切りをした方がよいです。
水を切ったもち米は、せいろに入れます。
せいろに「ふかし布」という布を敷き、もち米を適量入れます。我が家では具体的な量を測ったことはありませんが、だいたい1.5升くらいを目安に1回分としています。
多くても少なくても大変ですが、適量は餅つきする人数とか臼のサイズによっても異なるので、最初は上記を目安として、やりながら加減してください。
我が家では、もち米を蒸すときも薪で火を焚いて、お湯を沸かして蒸しています。なので、火を焚くコツもついでにご紹介します(特にウルトラC的な技はありません)。
- 用いる木はできるだけ乾燥したものを用意する。
- 最初は細い枝を集め、新聞紙に火をつけることで着火し、徐々に大きい薪を焚く。
- 一気に木を入れず焦らずちょっとずつ火を大きくしていく。
最近ようやく一発で火がつくようになったのですが、消えてしまってもかまどが熱くなっていくことで火がつきやすくなるように思います(使ってる木が乾燥してくるのもある)。なので、根気よくやれば必ず火がつきますので焦らずやってください。
ポイントにも書いている通り、最初は少なくしてしっかり空気(酸素)が行き渡るようにして徐々に火を大きくします。大きい薪に火がつけば、少々のことでは火は消えません。
さて本題に戻ります。
もち米の蒸し加減ですが、ちょっと食べてみて芯がなくなっているようであれば大丈夫です。
我が家では、ある程度むしあがった段階で、熱湯を杓子1杯分もち米の上からかけるようにしています(祖父母の知恵)。これにより、水分が足されお餅がまとまりやすくなります。
しかし、熱湯をかけてからもずっと蒸していると、逆に水分が多くなりすぎてしまうので、熱湯を足してからはずっと蒸しておくのは良くないです。目安として、5分くらいで餅つきを始めた方がよいです。
加えて、蒸している間に忘れてはいけないのが、臼をしっかりあたためておくことです。
臼に蒸しあがったもち米を入れた際に、臼が冷たいともち米がすぐ冷えてしま=硬くなり、まとまりにくくなります。つまりお餅にならないということです。
なので、臼に熱湯を入れ、しっかりとあっためておきます。目安はずっと触っていられないくらいまで。
冬場は1回ではなかなか暖まらないので、何度か繰り返し熱湯で温めます。
幸い石臼は温まりは遅いですが冷めにくいので、最初が肝心です。
杵ですりつぶす
蒸しあがったもち米を臼に入れて、「さぁ!餅つきの開始」と言いたいところですが、そのまま「ぺったん、ぺったん」と餅つきを始めてしまうと、もち米がバラバラになってしまいます。
なので、まずはもち米をまとめる作業をします。それが「杵でもち米をすりつぶす作業」です。
臼にもち米を入れたら、杵を臼に擦り付けるようにもち米を潰していきます。
実は、餅つきでこの作業が一番重要です。ある程度ここでお餅になっていれば、あんまりお餅をつかなくても、結構いい感じに仕上がります。
逆に、このすりつぶす過程をおろそかにすると、良いお餅になりません。
コツは、しっかりと体重を杵に乗せてすりつぶすことと、杵同士をこすり合わせるようにすること。
杵はかなり前の方を持ち、体重がかかりやすいようにします。
ここで、ある程度粒がなくなり、もち米がまとまってくれば、いよいよ餅つきです!
餅をつく
ここからが、餅つきの醍醐味である、あの昔話でおじいさんとおばあさんがやっているお餅つきです。
餅つきのコツは、杵の重さを利用して杵を餅に落とすイメージです。決して力をかけすぎないことです。
体力自慢の方は思いっきり力をかけて打ちつける感じにしてしまいがちですが、あまり強く打ちつけると、身体(掌とか腕)にかなり負担がかかってしまいます。しかも、餅がつける範囲はあくまで杵の面積だけです。
杵の重さを利用することによって、適度な力が餅に加わる上に、あまり労力をかけず良いお餅がつけます。
私が意識しているのはリズム。できるだけ多くの回数杵を振り下ろすことによって、ムラなく全体的にしっかりとつけた餅が仕上がります。
なお、最初のうちは数人で餅をつき、ムラを無くすために餅をひっくり返し、またつくというのを繰り返します。
餅らしくなってくるまでそんなに時間はかかりません。
最後に、餅をつく人と返す人が1人ずつで仕上げをします。
ついては返し、ついては返しを繰り返す、おなじみのやつです。
もちが塊になり、しっかりと伸びるようになれば完成。
大体1サイクル10分くらいです(たぶん)。
あまり長くかけすぎると餅が冷めてしまうので、熱いうちに手早くやるのが大事です。
あとは、お好みで丸餅にしたり、あんもちにしたり、おろしや納豆をかけたり、海苔を巻いたり、お好みで食べるだけ!
まとめ
今回は、田舎の年末の風物詩であるお餅つき(杵つき)のやり方を書きました。
動画が揃っているお宅は多くないはずなので、なかなか個人でやることは少ないですが、イベントなどで餅つきをやる際の参考にしていただければ幸いです。
コツをまとめると、
- 餅米にはしっかり吸水させる
- 餅米は十分に蒸す
- 餅をつく前に餅米をしっかりすり潰す
- 餅つきの時は杵の重さを利用して落とす
- 餅つきは力ではなくリズムが大事
- 熱いうちに手早く仕上げる
といったところです。
いい運動になるほか、つきたての杵つき餅の味や伸びは機械で仕上げた餅とは比較にならないくらい良いので、機会があれば是非やってみてください!
最後までご覧頂きありがとうございました。
2020-01-04