雑多な話

内容証明など重要郵便物の処理資格・郵便認証司とは?資格の取り方も

日本郵便の不適切事案として、内容証明などの重要郵便物の処理を行う国家資格を持つ方が、無許可で兼業をしていたとのことで、郵便社員2,615人が処分されたとの報道がありました。

この報道で、「内容証明などは、資格を持った人しか処理できないのか〜」と思った方はいらっしゃいませんか?

私は、そう思いましたw

 

この、内容証明など重要郵便物を処理する資格は「郵便認証司」といいます。

 

そこで、郵便認証司について調査しました。

 

Contents

郵便認証司とは

郵便認証司とは、多くのニュースタイトルにもあるように、内容証明などの重要郵便物を処理するために必要な国家資格です。

 

2007年10月1日に実施された郵政民営化に伴い、それまで公務員だった郵便職員が会社員になりました

その結果、法律で公務員にのみ認められていた、内容証明・特別送達郵便物の認証作業が、郵便職員にはできなくなってしまいました(公務員ではなく会社員になったため)。

 

そこで、新たにできた国家資格が「郵便認証司」です。

 

郵便認証司は、もともと公務員である郵便職員が担っていた業務を引き継ぐ形で業務に当たっています。また、内容証明郵便や特別送達郵便物は、重要度が高く、しかもその証明業務は、公益性・公共性の高い重要業務ということになります。

このことから、郵便認証司は“みなし公務員”という、公務員に準ずる規制をうけます。

 

具体的には以下のような規制を受けます。

  • 秘密保持義務
  • 兼業・副業などの禁止
  • 接待・ワイロなどの禁止

機密性の高い文章を認証する業務に当たる上に、公共性の高い事業でもある郵便業務なので、秘密保持義務は納得感がありますね。

また、みなし公務員は兼業・副業をすることも規制されます。信用・品格を害するような行為をしてはいけないということの繋がりにようです。

郵便認証司について記載した郵便法の第六十三条には、以下のように記載されています。

郵便認証司は、国家機関、独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第四項に規定する行政執行法人、地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第二項に規定する特定地方独立行政法人の職に就き、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、総務大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

郵便法(e-Gov)より引用

 

難しく書いてありますが、「総務大臣の承認を受けない限りは、兼業してはだめですよ!」ということです。

 

接待やワイロについては、通常の会社でもコンプライアンス上問題になるのは周知と思いますが、公共性の高い重要業務を扱うということであれば尚更ですね。

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郵便認証司はどうやってとるの?

みなし公務員ということで、公共性の高い事業をに関与することから、ある程度身分や給与が保証されていることになります。

 

では、郵便認証司という国家資格をどのようにして取得すればよいのでしょうか?

郵便法には以下の記載があります。

第五十九条 
郵便認証司は、認証事務に関し必要な知識及び能力を有する者のうちから、総務大臣が任命する。
2 前項の任命は、会社の使用人のうちから、会社の推薦に基づいて行うものとする。

郵便法(e-Gov)より引用

要約すると、郵便社員の中で相応の知識や能力を持った人が推薦され、郵便認証司としての業務に当たるということです。

一般的な国家資格のように、門戸が開かれたり、試験結果によって取得できるものではなく、郵便社員として働いている人の社内資格的な位置付けとなります。

ということで、この郵便認証司の資格を取りたいと思う場合は、まず日本郵便の社員になる必要があり、その後、郵便認証司に必要なスキルや知識を得ていくことになります。

 

重要郵便物を取り扱うことは責任ある業務ですが、日本郵便社員以外は資格を取得できないので、この業務に携わることは容易ではありません。

まとめ

今回は、内容証明や特別送達郵便物の認証を業務を行うことができる郵便認証司について調べました。

2,615人が、兼業により処分をうけるとのニュースですが、戒告という処分で、免職などではありません。

 

戒告とは、「公務員への処分で、過失・失態・非行などを強く戒めること」であり、平たく言うと、厳しく注意を受けたということです。

 

今回のケースでいうと、「総務大臣に許可を受けないと兼業しちゃだめなので、兼業したから、次から絶対するなよ!」って言われたってことでしょうかね。

 

懲戒処分の中でも、軽い方の処分にあたるので、2,600人の郵便職員がやめさせられるとかそういうことではありませんので、お間違いなく。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

2020-04-28