クルマの話

運転支援システムは便利?メリット・デメリットを解説

突然ですが,クルマの運転は好きですか?

私はクルマの運転が好きなので,若かりし頃は夜な夜なずっとクルマ運転してたり,友達と出かける時は必ずドライバーを買って出てました.今でももちろん運転は好きなんですが,やっぱり長時間の運転は疲れてしまい,「若い時のようにはいかんな〜」と感じる次第です….

しかし,最近のクルマには,快適かつ安全にドライブするための運転支援システムが搭載されています.

今回は,この運転支援システムに着目し,どんな便利機能があって,なメリット・デメリットがあるのか,解説していきます!

Contents

運転支援システムとは?

運転支援システムとは,その名の通りドライバーの運転を手助けしてくれるクルマの機能のことです.具体的には,長時間の運転の際に疲れにくいように,クルマが勝手にクルマの速度を一定に保ってくれたり,クルマが危険を察知すると,衝突した時の被害を最小限にとどめるように自動でブレーキをかけてくれたりする機能のことです.

運転支援システムの延長線上には,「自動運転」があります.ドライバーがいなくて,クルマに乗ってれば目的地に届けてくれるという,漫画とかの未来の街の描写で出てきそうなやつです.

余談ですが,クルマのメーカーさんだけじゃなくて,GoogleなどのIT企業も自動運転技術に対して積極的にお金をかけていることもあり,技術的には自動運転は可能だと言われています.しかし,現実として私たちは自動運転のクルマを買うことができません.これは,自動運転のクルマが絶対に間違いを犯さない保証はできないし,仮に事故が起きた時に誰が責任を取るべきかとか,そういう難しい話も解決していないからです(関連する法律が整備されていないということ).

一方で,自動運転を実現するためには,クルマが周りの状況を正確に認識する必要があるし,その状況でどういう行動をしたら一番安全かということをクルマが考えられるようにしないといけません.自動運転を開発することは,これらの技術の精度がどんどん上がっていくということになります.

自動運転実現のために得られた技術やノウハウは,市販されているクルマにも応用され,その結果が運転支援システムになるわけです.

運転支援システムの代表的なものは,アダプティブクルーズコントロールというやつです.

これは,前のクルマに一定の車間距離をあけた状態でついて行ってくれる機能で,高速道路の渋滞なんかの時にとても便利な機能です.

そのほかにも,機能がありますので順次解説していきます.

なお,衝突軽減ブレーキと車線逸脱防止機能については,安全装備の記事で紹介していますので,こちらを参照ください.

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クルマが勝手についていく?

運転支援システムの代表的な機能が,クルマが勝手に前のクルマについていってくれる機能です.アダプティブクルーズコントロールといいます.

まず,クルーズコントロールという機能について解説します.クルーズコントロールは,アクセルやブレーキの操作をしなくても,クルマの速度を一定に保ってくれる機能のことです.歴史的には1958年にアメリカのクルマ会社(クライスラー)が初めて導入したそうです.結構古くからある機能ですね.しかし,この機能はあくまでクルマの速度を一定に保つだけで,前のクルマが原則すればドライバーが減速する必要があります.(参考:Wikipedia

この,クルマの速度を一定に保つ技術を進化させたのが,アダプティブクルーズコントロールです.繰り返しになりますが,前のクルマに対して一定の車間距離をあけてついて行ってくれる機能です.

クルマが,レーダーとカメラなどを駆使して前のクルマとの距離や位置,速度なんかを確認しながら,こちらのクルマの速度を決め,アクセルとブレーキを自動的に操作してくれます.アクセルやブレーキの操作が不要なので,ハンドル操作に集中できます.

最近ではさらに進化したものもあります.それが,渋滞対応型(全車速対応型)のアダプティブクルーズコントロールです.どういうことかというと,0 km/hを含めて制御可能,すなわち停止もしてくれるということです.(参考:Honda sensingのページ

さて,ここで質問です.「みなさん渋滞は好きですか?」

「好きなわけねー!!」という声が聞こえてきそうですが,渋滞は時間がかかるわ,クルマの操作はめんどくさくなるわで,気持ちのいいものではありません.

この渋滞で絶大な効果を発揮する運転支援システムが,渋滞対応型のアダプティブクルーズコントロールです.

前のクルマについていくだけではなく,前のクルマが渋滞で止まった時には自動的にクルマを止めてくれます.再発進の時には操作が必要ですが,渋滞の時のアクセルやブレーキ操作がなくなるので,かなり負担は軽くなりますね.

さらにクルマは進化しています.最近のクルマには,車線を維持するためのハンドル操作をサポートしてくれる機能もついています.これは,カメラで車線を認識することで,右カーブなら右に,左カーブなら左に,ハンドルを切る操作をサポートしてくれます.

アダプティブクルーズコントロールと車線維持機能を併せて使えるクルマは,渋滞中の高速道路でのクルマの操作が減って,ストレスも疲れもかなり軽くなりますね.

とても便利!

そのほかの運転支援システムは?

他にも運転支援システムはたくさんあると思いますが,ここでは二つ紹介します.

自動でヘッドライトを切り替えてくれる!

ひとつは,自動でヘッドライトの切り替えをしてくれる機能です.アダプティブヘッドライトなどという名前で呼ばれています.

夜クルマで走る時には,視界の悪さが問題になります.暗いので歩行者にも気づきにくいし,事故が起きやすいです.当然ですが,ヘッドライトを点けて走りますよね.その時,みなさんはハイビームを使いますか?ロービームを使いますか?

まずは,ハイビームとロービームの違いから(知ってるわ!という方はスルーしてください).

クルマのヘッドライトは,遠くを照らすハイビームと近くを照らすロービームの切り替えができます.ハイビームを使っていると,対向車のドライバーが眩しくて前が見えにくくなるので,そういうことがないように,対向車がきた時にはロービームにするのがマナーです.

私の場合切り替えが面倒なので,基本的にハイビームにはしません.しかし堅い話をすると,法律ではクルマは基本的にはハイビームで走ることが求められていますので,本当は切り替えをしないといけません.

この切り替えを自動でしてくれるのが,アダプティブヘッドライトという機能です.

対向車や前走車を感知するとロービームになり,それらがいない時にはハイビームになります.

しかし,それだけで終わらないのが最近のクルマのすごいところです!

なんと,ずっとハイビームにしていても,対向車や前走車,歩行者などが眩しくないように,照らす範囲を勝手に変えてくれるのです.さらに走っている道路の種類(高速道路か一般道か)によっても照らす範囲を変えてくれます.詳しくは,マツダのホームページの解説を参照してください.

ハイビームの方が視界が良好なので,運転する立場としてはよく見えるハイビームを使いたいです.しかし,このアダプティブヘッドライトという機能は,使っている本人はその機能を体験できず,本当に対向車が眩しくないのかだけ心配になってしまいます….当然,大丈夫なんですけどね.

後ろから迫るクルマを教えてくれる!

2つめは,後ろ(正確には左右の後方)から迫ってくるクルマを教えてくれる機能です(名前はよくわかりませんでした…).

これは,左右の後ろからクルマが近づいてきた時に,サイドミラーのマーカーがチカチカと光って教えてくれるというもの.

とても単純なシステムに見えますが,左右の後方をしっかりとセンサーで感知して,車線変更しようとするときの死角(ドライバーから見えないところ)にクルマがいないかをきっちり捉える必要があるので,結構高度な機能だと私は思います.

車線変更などの場合,後方をサイドミラーで必ず確認すると思いますが,合流の仕方とか近づいてくるクルマの位置などの関係で,後ろにいるクルマが見えにくいことも結構あります.そんな時にこの機能があれば便利ですし,車線変更をする時の事故を防ぐことができます.

運転支援システムのメリット・デメリット

タイトルに「運転支援システムは便利?」と書きましたが,疑問の余地がなく「便利」です!

メリットは,先に示した通りで,ドライバーの負担を軽くしてくれるので,疲れ方やストレスが全然違いますし,安全に運転するために周りの情報が捉えやすくなっています

中には見えにくい歩行者をレーダーが見つけてくれて注意喚起してくれる機能なんかもあります.

見えてない(認識できてない)状態だと事故につながる可能性が高くなりますが,見えている(認識できている)状態なら,ブレーキをかけたりして対応すれば,事故になる可能性は低くなります.

しかし,本当にいいことばかりなんでしょうか?

今の運転支援システムは,あくまで「支援」なので,「代替」してくれるわけではありません.どういうことかというと,運転の主役はあくまでドライバーということです.

何が言いたいかというと,クルマはドライバーが「運転」するから走れるのであって,これらの支援システムだけでは走れないのです.

さらに言えば,アダプティブクルーズコントロールなどで,前のクルマを追ってくれて,しかも止まってもくれる状況になったとき,確かに負担はすごく減ります.負担が減るということは,例えばハンドル操作に集中できると言いますが,本当にそうでしょうか?

私の場合は,多分くなってしまいます

基本的には高速道路で使う機能です.単調な高速道路の景色.信号もなく,前のクルマに勝手について行ってくれる.刺激が少ない状態なので,きっと居眠りしてしまいます.

もう一つは,機械は万全な状態でない場合に誤作動のリスクがあるということです.もちろん,開発したメーカーさんはそこまで考えた上でシステムを作っていると思いますが,センサーが落ち葉で隠れたら,カメラが鳥のフンとかでふさがったらとか,言い出したら因縁みたいですけど,そういう状況になる可能性もゼロではないと思います.

デメリットという言い方とは少し違うかもしれませんが,運転支援システムが高度になればなるほど,自動運転に近づけば近づくほど,ドライバーとしての注意力とか判断力が衰えてしまう可能性がある.これが,ある種のデメリットなのではないかと思うわけです.

まとめ

今回は,運転支援システムについて紹介しました.どの機能も便利なものばかりで,安全運転につながるものばかりですし,最近はこれらの機能が普通についてきます.クルマの価格自体は昔に比べて高くなっていますが,こういう安心機能がついているのはとても心強いですね.

こういう安心機能をうまく利用しながら,ドライバーとしての自覚も忘れず,事故に合わないように快適なカーライフを送ってください!

2019-06-11